お知らせ

国産羊毛布団ブランド「Kanegasaki Wool」誕生

株式会社やよいディライト(本社:岩手県盛岡市、代表取締役:青野恵司)は、岩手・金ヶ崎の牧場で大切に育てられた羊毛を使用した布団ブランド『Kanegasaki Wool』を立ち上げました。

Kanegasaki Wool

 

2025年11月1日(土)・2日(日)に東京都中野区で開催される「羊フェスタ2025」に初出展し、初めて一般公開いたします。

 

数量限定で先着販売。体験は岩手県の本店とイベント会場でしかできない特別な機会となっています。また、イベント期間は「羊フェスタ初出展記念」としてお買い求めしやすいSALEも実施します。ぜひ多くの方に国産羊毛布団を知っていただきたいと考えております。

10月10日は「日本寝具寝装品協会」が定めた「ふとんの日」です。この日にちなみリリースさせていただきました。

 

1:背景

羊毛といえばオーストラリアやニュージーランドを思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、世界の羊毛生産の大半はこの2国に集中しています。一方で、日本で生産される羊毛は極めて少なく、まさに“幻の素材”といえる存在です。

現在、日本で飼育されている羊の多くは食肉用。その副産物として刈り取られる羊毛は、流通の仕組みが整っていないため、ほとんどが廃棄や害獣除けなど本来の価値を活かしきれていない別の使い方をされてしまっています。私たちは、この眠っている資源を「もったいない」と感じ、活用の道を探ってきました。

 

 

2:Kanegasaki Woolの特徴

2-1:岩手県金ヶ崎で育つ

金ヶ崎町は北上川の豊かな流れと広い牧草地に恵まれた土地で、羊たちはのびのびと育ちます。そこで生まれる羊毛は、環境に適応しながら育まれた、しなやかで弾力性のある繊維です。年間100kg以下の希少な羊毛。布団にするとわずか30〜50枚程度。数量限定だからこそ、一枚一枚に価値を持たせます。

 

2-2:自然な方法で羊毛をつくる

刈り取られた羊毛は、牧場主が丁寧に選別し、不要な部分を取り除いた上で洗浄されます。大量生産の羊毛は化炭処理というものが施されており、羊毛や環境に負荷をかけてしまいます。私たちは古くからある自然な形の洗浄方法で、その道のプロフェッショナルたちが扱うことで、素材の良さを壊さずに仕上げています。

 

 

2-2:職人の手仕事仕立て

これまでに累計5万枚以上の布団を手掛けた熟練職人が、一枚ずつ丁寧に仕立てています。体に自然となじみ、長く愛用できる品質です。

既定のサイズではない、特注サイズなどにも柔軟にご対応することができます。

 

2-3:リフォーム・アフターサービス

ご購入者に安心して長くお使いいただきたいと考えております。

本製品はリフォームが可能です。羊毛を打ち直して再生し、一生モノとしてお使いいただきます

 

 

 

 

3:羊毛は睡眠にも良い

羊毛素材は、吸放湿性に優れており、睡眠の質を高める働きがある。天然繊維は吸湿性に優れ、寝具材料として良く使われているが、中でも、羽毛、羊毛は放性にも優れ、就寝中の発汗現象に対して寝床内温度をコントロールしてくれる。

羊毛素材と合繊(ポリエステル)素材について、就寝中の睡眠深度の違いを示す。吸放湿性に優れた羊毛素材は全就寝時間中の睡眠の質(睡眠深度3、4段階の比率)が増加している。羊毛素材の睡眠実験中の寝室環境と寝床内気象の関係であり、寝室と寝床内の温度湿度に高い相関が見られる。吸湿性の少ない合繊にはこの相関は見られず、羊毛の高い吸放湿性が睡眠の質に影響を及ぼしていることを示唆している。

(中村 勤, 2008, 繊維と工業, 64(12): 414–418)

 

 

4:羊フェスタ2025 出展概要

▪イベント名:羊フェスタ2025 in なかのアンテナストリート

▪日程:2025年11月1日(土)11:00~17:00/2日(日)10:00~16:00

▪会場:中野セントラルパーク(東京都中野区)

▪展示内容:Kanegasaki Woolの布団の初公開展示、触感体験、試し寝体験

▪当日の取材対応可能

 

 

5:今後の展望

本年度の原料は70kg(布団25〜30枚)に限られますが、ふるさと納税やオンライン販売を通じて数量限定で展開予定です。次年度以降も70㎏~100kgを目標に製造を継続していきます。地域資源を活かしたサステナブルな布団として、今後も継続的に取り組みを進めてまいります。ECサイト:https://kanegasakiwool.stores.jp   

 

会社概要

会社名:株式会社やよいディライト

代表者:青野恵司

所在地:岩手県盛岡市東仙北2丁目14-28

事業内容:寝具製造販売、リフォーム事業、地域資源活用プロジェクト

 

私たちのプロジェクト

▪IWATEDOWNプロジェクト

https://www.iwatedown.jp/ 

 

▪tsumugiプロジェクト

https://tsumugi-recycle.jp/ 

 

▪vintage cottonプロジェクト

https://vintage-cotton.jp/ 

 

 

本件に関するお問い合わせ

株式会社やよいディライト

広報・企画マネージャー 羽田 流星

TEL:019-681-7878

Mail:r.hata@yayoi-living.jp

 

 

科学が証明する『無化炭ウール』の価値

  1. 化炭処理とは

羊毛に混ざる草や茎などを、硫酸などの強酸で溶かす工程。
見た目は白く整うが、繊維構造や機能、環境へのダメージが大きい。

 

  1. 化炭処理ウールと無化炭ウールの比較
項目 化炭処理ウール 無化炭ウール(Kanegasaki Wool)
加工方法 酸で植物片を溶かす 手選別・自然洗浄・天日乾燥
繊維の状態 ケラチンが分解、弾力喪失 繊維構造がそのまま保持
触感 乾いた・パサつく しっとり・柔らかく弾力あり
吸放湿性 低下(呼吸しない) 高い(呼吸する繊維)
香り 無臭・人工的 自然な牧草の香り
再利用 短命・打ち直し困難 長寿命・再利用可能
環境影響 強酸性排水による水質汚染 低負荷・サステナブル

 

参考文献一覧

  1. D’Arcy, M. J. (1992). Wool Processing and Properties. Textile Progress, 23(1).
  2. Aspland, R. S. (1983). Chemical Finishing of Wool. Textile Chemist and Colorist, 15(5).
  3. Environmental Protection Authority (EPA) Australia. (2008). Wool Scouring and Carbonising Guidelines.
  4. Simpson, G. R. & Rippon, J. L. (1978). Effect of Chemical Treatments on Lanolin in Wool. Textile Research Journal, 48(10).
  5. (2005). Wool Recycling Studies: The Effects of Chemical Treatments on Fibre Reuse.

3:科学的根拠

繊維構造の損傷

酸によるケラチン分解とスケール破壊が確認されている。
出典:M. J. D’Arcy, “Wool Processing and Properties”, Textile Progress, 1992

吸放湿性の低下

酸処理後の羊毛は吸湿率が20〜30%減少。スケール損傷が原因。
出典:R. S. Aspland, Textile Chemist and Colorist, 1983

環境・人体への影響

化炭処理の排水は pH1〜2 の強酸性で、十分な中和を行わないと深刻な水質・土壌汚染を引き起こす。
出典:EPA Australia, Wool Scouring and Carbonising Guidelines, 2008

ラノリンの喪失と風合い変化

ラノリンの 70〜90% が除去され、柔軟性としっとり感が失われる。
出典:G. R. Simpson & J. L. Rippon, Textile Research Journal, 1978

再利用・リサイクルの困難化

酸処理で繊維長が短縮し、再紡績効率は 40〜50% まで低下。
出典:CSIRO, Wool Recycling Studies, 2005

 

  1. 総括

化炭処理は見た目の美しさを得る代わりに、羊毛の生命力・呼吸・ぬくもりを奪います。
Kanegasaki Wool は、自然のままの羊毛を丁寧に洗い上げ、
生きた繊維”をそのまま布団にするブランドです。

 

 

ページ上部へ戻る